離れて見ると、寛容になれる【代表北村の教育ちょこっとコラム】

年に数回、会議や講演などで東京に出張します。関西から東京方面へ出張するビジネスマンは、一般的に「新幹線派」と「飛行機派」とに分かれるのですが、私は訳あってほとんどの場合、飛行機で出かけることにしています。 新幹線は地上から、景色を近くで見ます。だから、外の様子はどんどん流れて一部しか見えません。ところが飛行機は空から、景色を離れて見ます。すると、「斜め45度」の角度で、全体を見渡すことができます。〝It’s a small Japan!!〟「日本って、小っちゃいなぁ~」…みたいな感じです。 人や物事を近くで見ると、どうしても「欠点」が先行して目につき、心がしんどくなります。でも、少し距離を置いて眺めると、「寛容」になれて、心にゆとりが生まれます。ゆとりができるとそこから新たな「発想」や「創意工夫」も生まれます。 もし、目の前の家族や友人・事柄について腹を立てたり、悩んだりしたときは、まずは、距離を置いて深呼吸。そして再度広い視野で見つめなおしてみましょう。そうすると、さっきまでのモヤモヤがスーと消えて、「許せる自分」がそこにいる…かもしれません。みなさんも、一度試してみませんか?

実は高1がいちばん肝心!【代表北村の教育ちょこっとコラム】

文部科学省の調査で、高1生の4人に1人は『学校外では勉強しない』という結果が、9月に発表されました。『中学時代に比べて勉強しなくなった』という生徒が大幅に増え、文科省担当者は、「補習の多い高校は学校での学習時間が長く、部活動やアルバイトも要因として考えられる」と分析しますが、「高校受験を終え、のんびりしていることもあり得る。学習習慣を注視したい」とも指摘しています。【2001年生まれの特定の生徒に、毎年質問をして経年変化をみる「出生児縦断調査」より】
家や塾での勉強時間を尋ねると、平日に「勉強しない」と答えた生徒は25.4%。
「1時間未満」は29.3%、「1~2時間」は27.7%、「2~3時間」は11.9%
となった一方、その生徒たちが中3生の時点で「勉強しない」とした割合は6%、
中1・2時点でも9%台で、「高校進学後に、大幅に学校外の勉強時間が減った」
という結果となっています。
中学時代に特進館で毎日猛勉強して見事志望校に合格したのに、一旦塾を離れて気を抜いた生徒が1~2年後にボロボロの成績になって、「先生、どうか助けてください…」と帰ってくるケースが時々あります。そんな悲劇を生まないためにも、実は「高1がいちばん肝心」という事実を、ぜひ教訓にしてほしいのです。

“略奪”の起こらない国【代表北村の教育ちょこっとコラム】

阪神淡路大震災から23年の歳月が流れ、東日本大震災が発生して早くも7年半が経過しました。また、ご承知のように先日の西日本豪雨では、平穏な町々が極めて甚大な被害に見舞われ、あらためて自然災害の恐ろしさを認識されたのではないでしょうか。 このような大災害では、道路や鉄道などの交通網が麻痺し、電気・ガス・水道などのライフラインが断たれ、緊急自動車のサイレンが鳴り響く極限状態です。そんな中で、私がいつも心に感じることがあります。それは、日本ではほとんど〝略奪〟が起こらないこと。最悪の状況下でもお互いの〝絆〟を深め、秩序をしっかりと保ち、協力して助け合う。決して「自分さえ良ければ」などという行動は生まれません。他国では、必ずと言っていいほど多くの犯罪が発生するのに…。これを、「日本人は温厚だから」などと、一言で片付けてしまうのはよくないと思います。このような秩序と思いやりのある温かい文化こそ、日本古来の〝教育〟によって培われたものであると考えるべきなのです。 〝ものづくり〟が日本の強みと言われてきましたが、これからは〝人づくり〟、つまり〝教育〟こそ、この国を輝かしい発展に導く、最大のキーワードであると、私たちは確信しています。

消費税アップって、ホントに必要?【代表北村の教育ちょこっとコラム】

今回は経済のお話しです。先日、ある生徒から、「国の財政」に関する課題作文の書き方についての相談を受けました。この課題を出した人は、おそらく、「日本の国は借金が多すぎて大変なので、消費税を上げなくては破綻する…」みたいなストーリーの作品を期待しているのでしょう。ニュースはいつも借金だけしか報道しませんが、ちょっと待ってください! 現在、国の借金は約1200兆円。日本の年収は550兆円なので、たしかに莫大な金額です。しかし同時に、国には政府700兆円・日本銀行400兆円の計1100兆円の貯金があって、実質的な借金は100兆円。しかも、その借金はほとんどが「円」という国内のもの。「年収550万円のパパが、ママから100万円借りている」みたいな状況です。 国内、つまり家族から借金をして破綻することはありません。日本の状況は、ギリシャなどとはまったく違うのです。「日本の借金は実質ゼロ」という有識者も多数います。 万が一、「今すぐ100万円返して!」とママに言われた場合は、日本国というパパが、国立印刷局にある印刷機をせっせと回して〝1万円札〟をたくさん刷って、ママに渡せば返済完了。だから、「もう消費税を上げないでほしいなぁ~」って思うのは、私だけなのでしょうか…。

『勝利する人』の共通点【代表北村の教育ちょこっとコラム】

長年この仕事をして感じることの一つに、「入試で絶対に落ちない人の共通点」があります。それは、「自分の答案をしっかりと覚えている」という点です。翌朝の新聞などで自己採点をするときに、「自分はどの問題が正解で、どの問題を間違ったか」をきちんと覚えている生徒で、今までに不合格になった者は、私の記憶では一人もいません。
結果論になるのかもしれませんが、自分の答えが頭に入っている生徒は、自らの理解度に責任を持っています。だから、同じ間違いを二度と繰り返しません。「何と答えたのか覚えていない」という無責任な生徒は、また同じ過ちを繰り返してしまう。たったそれだけの話です。
もう一つ、最近のスポーツの世界でメダルを獲ったり記録を更新したりする選手たちにも、ある一つの共通点が見られます。テレビの勝利者インタビューなどで、彼らが口をそろえて言う言葉。そう、「楽しかった!」の一言です。かつてのように、「試練の道を」、「血の汗流せ、涙をふくな」みたいな、巨人の星(古いっ)的コメントは、もう聞かれなくなりました。
受験生もアスリートも同様に、勝利する者は共通して〝自分の力と結果に責任〟を持ち、なおかつ〝楽しく〟やってのける。今は、そんな時代なのかもしれませんね。

『エコ』は、実は環境に悪い⁈【代表北村の教育ちょこっとコラム】

「教育」や「福祉」といえば響きのよい言葉ですが、この言葉を利用して荒稼ぎをする、理不尽な人間が多数存在することもまた事実。先日、講師を招いての保護者会講演会開催を計画し、ある有名教育評論家の先生に電話をしたら、「私、講演料170万以上じゃなきゃ行かないわよ~」みたいなことを言われて、即断念。「教育者のクセに、がめついオッサンやなぁ~」と独り言…。
「エコ」という言葉も同様に響きはよいのですが、実は環境に悪いものが多いと言われます。例えば、最先端のエコカーである「燃料電池自動車」。水素と空気中の酸素が化合したときにできる電力で、車を動かす仕組みですが、実はその水素を作るために、2倍以上の電力が必要だそうです。水素の原料は、石油か天然ガス。さらに、水素の運搬や保管を行う容器は、潜水艦レベルのコストがかかります。EV・PHV車なども、CO2の排出量が少なくて地球に優しく感じますが、実はその車の製造時のCO2排出量は一般車の数倍だと言います。
エコカーをお持ちの方にはいささか気の悪い内容で恐縮です。あくまで製造過程の話で、購入後のメリットは多々あると思いますので、どうかご容赦ください。(^^;
物事は、表面(一部)だけでなく本質(全体)を見抜かないと、思わぬ落とし穴に陥る危険性あり。受験や学習においても、この考え方が必要だと思います。

『平均』という数字に惑わされるな【代表北村の教育ちょこっとコラム】

新聞などの報道で、日々様々な数字が報道されますが、その中で、私たちがついつい惑わされてしまうものに、「平均」という数字があります。「平均□□」などという数字を見て、人は安心したり、焦ったり…。でも、この言葉が厄介な曲者なのです。
たとえば、「今回の英語の平均点は50点でした…」と聞くと、「50点前後の人が多かったんだ」と思いがちですが、実はクラスの半数が100点で、残りが全員0点(平均50点)ということもあり得ます。特に最近の子どもたちの学力分布は、以前の山のような形ではなく、できる子とできない子が多くて真ん中がない、「ふたこぶラクダ」形。これがいわゆる〝学力の二極化現象〟です。ニュース等でも、「格差の拡大」という言葉を最近よく耳にしますよね。大学・高校のレベル、生徒の学力レベルも二極化の一途をたどり、「真ん中」という概念はどんどん消えていきます。格差がどんどん拡がって二極化し、「平均」という言葉に惑わされていた下位層は、いずれ残酷に切り捨てられる…これが現実です。
受験の「勝ち組」として生き残るためには、保護者の皆様もしっかりと入試情報をご理解いただくことがたいへん重要です。2018年度も、全力で大切な情報をご提供いたしますので、保護者会へのご参加をどうかよろしくお願いいたします。

高校の『学歴』が採用基準に!【代表北村の教育ちょこっとコラム】

今年も就職活動のシーズンがやってきました。ところで、企業は今でも「学歴」で採用を決めているのでしょうか? 最近は、学歴よりも「実力重視」と叫ばれるようになった各社の採用方針ですが、実はこれはあくまで建前上の話で、人気企業は何千人もの応募が来る採用選考プロセスで、少なからず学歴を重視しています。
ご存知のように、近頃の採用スタイルは完全に電子化されており、これがよくも悪しくも企業にとっては都合が良い。実は、予め「ランク分け」された大学を一定基準で電子的に振り落としてしまい、偏差値の低い大学の学生は入社説明会に参加することすらできない。これが現実です。しかし、最近はAO入試や一芸入試などで、学力を伴わない有名大学出身者も増加。その結果、企業が「学歴選抜で採用したのに戦力外の社員」などの問題で頭を抱えているようです。そこで、たどり着いたのが「高校にも注目する」という新しいやり方。各地の名門高校出身者なら、優れた学習能力を持っている可能性が高いという理由です。
夢を叶える企業へ入社するためには高校受験も重要な関門となります。もちろん、自らの「実力」や「人間力」を磨くことはもっともっと大切ですが…。

受験生の親がやってはいけない7か条【代表北村の教育ちょこっとコラム】

国私立および公立推薦入試が結果待ち状況の今、まさに入試モードの真っ只中。ご家庭でも、ピリピリとした、緊張感みなぎる毎日を送っておられることと思います。さて、今回は「受験生の親がやってはいけない7か条」についてご紹介させていただきます。東大合格者数公立高校ナンバー1、都立日比谷高校の武内彰校長先生の著書「学ぶ心に火をともす8つの教え」からの出典です。
①悲観的なことを言う☞ネガティブな思考回路になり、自信がなくなってしまう
②兄弟や他人と比較する☞「お兄ちゃんは成績がよかったのに」などは絶対NG
③親の価値観を押し付ける☞結論は子どもに出させる
④模試の成績ですべてを判断する☞模試の結果だけで責めるのはNG
⑤子どもの食事を作らない☞お忙しいとは思いますが…
⑥受験会場に親がついて行く☞心配でも1人で送り出す
なるほどぉ~、とうなずける項目が多いですよね。この時期、最も大切なことは言うまでもなく「親子関係の良好性」。志望校の合格キップは、本人の努力だけではなく、ご家族との共同作業で輝かしく勝ち取るものです。
「7か条」をぜひご参考にしていただければうれしいです。