背中で語ること…

先日、ある前総理がテレビで「忙しくて1日3時間しか寝ていない」と、〝がんばっていますアピール〟を愚痴っぽく語っているニュースに、この上ない不快感を覚えました。

自分の努力を他人に恩着せがましく語る行為は、本当にみっともないことだと思います。本来、そのような話は自分でなく他人が自然に感じ取り、他人の口から発せられるもの。だから、「あの人はたいへん苦労されている」とかが自然で、「オレは苦労しているんだ」みたいなことを自分で吹聴する人間を、私は絶対に信用しません。

教師が授業で生徒に向かって、「先生はお前たちのためにがんばっているのだゾ」などと発言するのも問題外。教師はそれでご飯をいただいているのだから、そんなことは当然のことで、誰も尊敬も同情もしないと思います。自ら求めなければ評価を得られない人ほど、愚かでみじめなものはありません。

少子化が進み、塾業界の将来は〝三重苦〟にさいなまれています。少子化による入試の易化。不登校生の急増。教育界へのAI台頭。そんな逆境の中で、私たちは教育者として、たと困難を前にしても常に笑顔で立ち向かい、子どもたちに常に背中で語りながら、前向きな姿を見せ続けていきたいと考えています。