あかりの大切さ その2

前回に引き続き「あかりの大切さ」について語ります。私が、大阪の学習塾に入社して1年少し過ぎた時期。当時その塾は「S教室が開校3年目なのに生徒数が70名しかいない」という問題を抱えていました。駅近の人通りの多い商店街で立地は決して悪くない。担当教師も塾内の精鋭揃い。なのに、まったく生徒が増えません。その頃、まだ駆け出し教師だった私は、恐れ多くも学院長に、「教室長を私に代えてください!」と暴言。叱られると思いきや、学院長は何とその申し出を受理して、北村新教室長が誕生。3~4か月後に念願の100名を上回る生徒数を達成できました。

こう言うとただの自慢話ですが、教室長になって私が行った取り組みはただ一つ、「教室を明るくすること」。この教室の生徒は、比較的表情が暗いのが気がかりでした。その原因は、廊下が薄暗いからでは?…と考え、蛍光灯の本数を2倍にして、物理的に教室を明るく変えました。結果、子どもたちや先生の表情が徐々に明るくなり、教室に活気が生まれて多くの生徒が集まったのです。この特進館学院でも、新校舎に移転して1年後の2017年頃。それまで増えていた生徒数の伸びが1年以上止まったので、入口廊下のLED照明を2倍に増設。その結果、以前同様に入塾生が増えていきました。節電はもちろん大切です、でも、あかりは物を照らすだけでなく、「人の心にしみ込むパワー」があるのでは…と考えています。

あかりの大切さ その1

学校や塾などで授業を受けたり、家で学習したりする場面で、頭に入ってくる情報のおよそ8割は“目からの刺激”に依るものであると言われています。そのため室内を照らす“あかり”の存在は、極めて重要となってきます。一般的な照明器具のあかりの色は、「白色」と赤っぽい「電球色」の2種類がありますが、特進館学院の教室の照明は、この2種類の色の器具を交互に配置しています。このような配慮は、全国でも例がないと思います。白い色の照明は、「商品が明るく美しく見える」ため、スーパーなどの物販店で使われ、電球色の照明は、温かみがあって「料理が美味しそうに見える」ので、飲食店などで多く使われるようです。では、塾はどんな色でしょうか? 教室のあかりが白色ばかりだと授業が寒々しく映り、教師との距離感が生じて理解度が低下。逆に電球色ばかりだとゆったりし過ぎて緊張感が消え、授業が眠くなります。だから、各色の利点・欠点を補い合うためにミックスにするというのがその理由です。

「たかがあかり、されどあかり」。こんなちょっとしたことでも、積み重ねることによって、学力・理解力の向上ややる気UPに繋がります。特進館学院は、このような創意工夫を軽視することなく、子どもたちのために日々研鑽努力を続けたいと考えています。

自分をだまして、目標を達成!

近くの店に100円の商品を買いに行く時、財布やスマホに100円だけ入れて行く人はあまりいないと思います。それが値上がりしていたり、他にもほしい品があったりすることもありますので、普通は少し余分にお金を持って行きますよね。家族で休日に、数百kmも離れた目的地へ何時間もかけて出かける時、エンジンの小さな自動車でも行けるでしょうが、長距離ドライブは大きめの車の方が、余裕があるのでやはり安心だと思います。

私たちは、生徒がテストなどの前に、できるだけその目標点を定めるように言いますが、その時に「自分が取りたい点より高めの点数を目標設定し、その点数が取れる力をつける」ように指導しています。たとえば80点を目標にした生徒は、80点を頂点に見てしまうので、結果的に70点位で落ち着いてしまう。しかし、高めの100点を目標にして学習すると、悪くても80点は取れる。志望校も同様で、最初から現実的な目標を定めるのではなく、1~2ランク高めの学校を選んでみると、最終的にその学校を受けられなくても、元々の志望校へは入れる可能性はあります。

どこかの大統領のように、他人をだます人間は最低です。でも、いい意味でこうして「自分で自分をだます」ことはアリです。人生も受験も、そんな自分の心のだまし合いが「勝利」を導くのかもしれません。

モラールとネットワーク

ロシア軍がウクライナ制圧のために企てた当初の作戦(プランA)はわずか「4時間」、2つ目の作戦(プランB)は「3日間」で首都を攻略する予定だったといいます。いずれの作戦も失敗して泥沼化し、ご承知のように多数の一般市民を巻き込む凄惨な軍事侵攻となって、まもなく2か月を迎えようとしていることはご承知の通りです。

ロシアと比較して、兵員数・兵器量が10分の1程度しかないウクライナ軍が、ロシアの大軍をこれほどまでに圧倒する最大の理由は、ウクライナ人の「何が何でも祖国を守る」という一致団結したモラール(士気)の高さと、彼らを支える膨大な他国のネットワーク(情報網)にあると思います。その反面ロシア兵は、「何のための戦いか」という大義すらまったく知らされずに戦場に送り出され、圧倒的戦力を持っていながらも自らの力を発揮できずに、次々と敗退する結果となります。

些か不謹慎ですが、これを学習に置き換えるとモラールは「やる気(学習意欲)」、ネットワークは「情報力」となります。どれだけ高額な教材や学習ツール等が整っていても、本人の学習意欲や周囲のサポートが弱ければ決して勝利を得ることはできません。私たちは、毎年恒例の「やる気UP講座」などの学習イベントを通じて、教科指導のみならず、子どもたちの意欲開拓と情報力向上のための努力を続けたいと考えています。

「行列のできる店」のからくり

先日、テレビ・新聞等で大々的に報じられたニュース、「労基法違反の疑い兵庫・三田の人気洋菓子店幹部らが書類送検 月に残業342時間の従業員も!」。

逮捕や書類送検には驚きませんでしたが、その残業時間の凄まじさには驚嘆!数年前の電通社員過労自殺事件を、はるかにしのぐスケールです。私は甘いものが大層苦手なので、このケーキ店を利用することはあまりないのですが、ココは信じられないほど「並ばせて待たせる」という印象があります。炎天下でも極寒でも…。だから大阪出身の人間の気性としては、あまり行きたくないというのが正直な感想。^^;

「行列のできるラーメン店」みたいな特集を、テレビ等でよく目にすることがあります。あくまで個人的な意見ですが、そういう店の店主は大概胡散臭い。顧客本位で本当においしい店は、メディアにダマされた客が大量に押しかけると、店の味が落ちるのを知っているので、基本は取材など受けません。

寒い中で長い時間並んで待たされて、空腹をガマンして、そのあとに食べればどんなにマズ~いラーメンでもおいしく感じてしまう。これが彼らの魂胆です。学習塾も飲食店も同じで、私たちはよいものとよくないものを見分けることのできる「かしこい顧客」であるべきではないか…と考えています。

本番で失敗しない「5つの助言」

入試本番が近くなり、受験生は緊張したムードに。そんなときに役に立つ、受験直前・

本番当日に失敗しないための助言を5つあげてみました。

① 受験にトラブルはつきもの ② 出題傾向が変わったときこそチャンス

③ 自分がわからない問題は他の生徒もわからない ④ 早起きは三文の得

⑤ あせったら負け

①万が一、忘れ物があったり遅刻しそうな場合が出てきたりしたときのために、「自宅・通っている中学校・受験校」の連絡先(住所・電話番号)を一覧表にしておきましょう。

②たとえ出題傾向が変わっていたとしても、あせらないことが肝心。③わからない問題があって当然。そんなときは「自分がわからない問題は、他の生徒もわからない」といった心のゆとりが大切です。

④早起きの原則は早く寝ることですが、朝が苦手という生徒は目覚めと同時に朝日を浴びるのが一番効果的です。

⑤これまでがんばってきたという自信と、これだけは気をつけようという本番に臨むときの心構えを持って。

この時期は日頃から受験を意識し、問題集を解く時にタイマーを使ったり点数をつけたりするなど、時間設定や環境設定を行うことで、ミスは最小限に防げるでしょう。みなさんの健闘を祈っています!

今年も、フェアに戦います!

コロナ禍という長いなが~いトンネルも、ようやく出口の光がうっすらと見えてきました。この2年間は、つらいことも多かったと思いますが、反面この危機的状況の中で、私たちはたくさんの「学び」を得ることができたのではないかと考えています。

人間は、普段日常では感情を表面に出さない生き物ですが、ひとたび自分が追い込まれた状況に陥ると、その本性をむき出しにするものであると言われています。災害や事故などの危機に見舞われたとき、自己中心に振る舞うか、それとも利他的行動に出るか…。

この長いコロナ禍では、多くの企業や個人がどさくさに紛れて火事場泥棒のように不正を行ったり人を欺いたりする事件があとを絶たず、教育という大切なミッションを担う、この地域のいくつかの学習塾でも、正しくない行為で生徒たちを裏切っていることも、悲しいかな事実のようです。

つらくて追い込まれた時に人に優しくなれる力こそ、真の「人間力」です。優しさは、強さの現れです。その強さは、偽りや誇張などの誤ったずるいやり方で培われるものでは決してありません。

私たち特進館学院の教育の原点は、「正しくフェアに生きること」。だから、アンフェアとは徹底的に戦います。これからも、「子どもたちの夢をかなえる進学塾」として、ずっと歩み続けたいから…。

「1%の悪意」に屈しない

今だからお話しできますが、私が以前に経営していた進学塾(仮に「進学塾A」とします)の塾生保護者の中に、塾がやることにいつもクレームを言ってくるお父さんがいました。今で言う「モンスター●●」です。そのおかげで、明らかに生徒たちに有意義なものでも、新たな企画を行うとスグにその人から電話が鳴るので、当時の社員たちは萎縮。「他塾との差別化」を柱に、斬新な政策を進める進学塾Aは、平凡な「普通の塾」へと成り下がっていきました。

先日、あるメディアのアンケートで、「隣の某大国が、最近1000発以上のミサイルを日本に向けている現実を不快に感じますか?」という問いに、「不快に感じない」と回答する日本人が数%もあったのを見て、たいへん驚きました。世の中にはそういう人が一部いるものです。

昨今、「SDGs」が叫ばれる中で、「多様性」や「マイノリティ」の尊重など、「少数派の意見を大事にせよ!」的な考えが、世界的な風潮となりつつありますが、個人的には、少数派の考えにとらわれ過ぎて、肝心な多数派の意見を排除することは、民主主義の否定のようで、どうも納得がいきません。

特進館学院は、先ほどのクレームお父さんのような「1%の悪意」を恐れて、99%の子どもたちを犠牲にするような、誤った道へ進むつもりなどは1ミリもありませんのでどうぞご安心ください!

ストレスがある人は、幸せな人

以前、「勝利する人の共通点」についてお話ししました。アスリートも受験生も、勝利する人は必ず「楽しんでいる」という内容でした。【代表北村のちょこっとコラム(2018.12)参照】
そこで、最近私が発見した新しい「勝利の方程式」について、こっそりとお知らせします。みなさんには、悩みや困りごとなど「ストレス」がありますか? おそらく、まったくない人などいないのではないでしょうか? でも、それでいいのです!たとえば10m先の空き缶に石を当てるのと、空き缶に当てずに1 ミリ手前に石を落とすのではどちらが難しいですか?
100 点満点を取るよりも、99 点で止める方がはるかに難しい。何が言いたいのかというと、「何もかも完ぺきだと、結果的にはダメになる」というお話です。マグロやウナギ・マダイなどの養殖で、ご承知の通り日本の水産技術は世界最高水準。養殖魚が天然魚並みの引き締った身となる秘密は、「養殖網に少しだけ天敵を入れる」ことだそうです。安穏な環境で育てるのではなく、あえてストレスを与えることで、良質で美味しい魚に成長する。そういえば、アコヤ貝に異物の核を無理に入れてストレスを与え、その結果できる産物が、あの美しい「真珠」であると伊勢志摩の方に聞きました。多少のストレスを持つ方が、人は成長できる。そう考えると、ちょっと幸せな気分になれるのでは…と考えますがいかがですか?

アカン人たち共通の言葉グセ

ヒトの脳細胞は、およそ140億個あると言われています。脳は生まれてから12年~15年で成長のピークを迎え、20歳で脳の質量は1400g前後になります。140億個あるヒトの脳細胞は、成人後は一切増えず、毎日約10万個ずつ死滅していくそうです。そのペースで死滅すると、脳細胞がすべてなくなるまでに何年掛かるでしょう? 答えは「383年」です。

日本がいかに長寿国でも最高齢は118歳。383年の3割程度です。だから、自分の脳を今の3倍以上酷使しても全然問題ないという理屈。使えば使うほど、脳は磨かれます。

私が、今までに出会った人々の中で、「コイツは成功しないなぁ」とか「アカンなぁ」、「伸びないなぁ」と、ついイライラしてしまうタイプの人に共通する言葉グセがあります。それは、「いま何時ですか?」、「きょう何曜ですか?」みたいな質問です。すぐにわかることでもアタマを使わず、他人に頼ることが常習化している人。自分の脳を甘やかして、ほとんど新品脳のままで人生を終えようとする。アカン人たちの典型です。「それくらい自分で考えろ!」と言いたくなります。加えて、「どうしたらいい?」という口グセにもイラッとします。相手に頼らず、せめて「AかBのどちらがいい?」または「Aでいい?」ではないでしょうか? 脳を甘やかすことは、自分の夢や目標を捨てるに等しい行為だと考えています。